角田光代 / 学校の青空

学校の青空 (河出文庫―文芸コレクション)

学校の青空 (河出文庫―文芸コレクション)

自分でなんでも決めれる人なんていない。
恐ろしいほどに敏感に人の目を察知して、それに応えられるように生きている。
自分の思う自分は幻で、人の思う自分こそが本当の自分になってしまう。
ひっそりと環境が変わるのを待つか、自分の思う自分なんてものは初めからなかったかのように、人の思う自分で過ごす。
知らず知らず本能的に人の思う自分を演じていた場合、それについて疑問を持ったとき、混乱やとまどい、怒りと恐怖などを感じ、途方にくれる。

学校ごっこが恐ろしかった。