宙を舞う

みなさんは宙を舞ったことがありますか?
そう、ふわっと。
今日はついに決まった新しい仕事先への初出勤日で、
その帰りにちょっと買い物をしようとブラブラしていたんですね。
ハービスのMaduでその職場で使うマグカップを買って、次の行き先へ向かってました。
梅田の阪急、阪神、JRをつなぐ歩道橋を歩く時、いつもは阪急百貨店の真横のエスカレーターで降ります。
それをなぜか、気分がよかったのか、その脇の階段で降りていったんです。
 
今日履いていたのは、マーガレットハウエルの綿麻混のゆるっとした太めのパンツ。
買った時に、お姉さんが裾切らなくてもいけますよー。とかいうので、
いい気分でそのままにしていたら、普段歩いている時にやっぱり裾をすっちゃうので、
少しロールアップして履いています。
 
さてそれで、階段を下りている途中(しかもまだかなり上のほう)に、右足の感覚が不意におかしくなった。
前に出そうとするのに出ない。
なぜか。
右足が、左足の裾のロールアップした部分に入り込んでいたからだったんですね。
それが分かっても、もう体のバランスは完全に崩れてしまっていてもう立ち直れない。
しかもよりによって、階段の真ん中のあたりを歩いていて、手すりにも摑まれそうもない。
ばっと周りを見回すと、右斜め前に、階段を上ってきているお姉さんが。(推定26〜28歳)
どうしよう、このままいくと階段を転げ落ちて大怪我をしそうだ。
けれど、このお姉さんの腕にしがみついたとしたら、絶対お姉さんは嫌がるだろうな。。。
こんなメガネで出っ歯だからな。。。
やばいやばい、大怪我だ。いやいや、メガネで出っ歯はキツイぜ、お姉さんには。
なんて思いながら、みるみる体勢は崩れていく。
あぁぁ!お姉さんごめんなさい!
とうとうお姉さんの腕を摑んで体勢を立て直すことを決めてしまったメガネ。
あぁ、言い訳どうするよ、出っ歯。(つーか、この状況で言い訳とかありえないですが)
 
しかし、またここで問題が。
片手で(もう片方の手にはMaduのマグカップとカバンが握られていたため)
お姉さんの腕を摑んだものの、あまりに転倒の勢いが強すぎてお姉さんにも危険が及びそうな予感が!
このままではお姉さんごと転げ落ちてしまいそう。
そう感じて、いろいろな思いの末摑んだお姉さんの腕も手放すことに。
後は、下に階段が広がるだけ。
さぁどうなる、俺!?
ここからが未知の感覚。本当にふわっと体が持ち上がり、しかもなんと横に4分の3くらい回転。
いろんなこと考えた。
わ、これ4年前にスノボで骨折ったときに似てるかもとか、後ろのカップルがうわ!とか言ってるよとか、
お姉さんはやっぱり怒ってるかな、それとも気持ち悪がってるかな、自分のキャラ的には後のほうかなとか。
 
でもしっかりと自分の体が回っている感覚はしっかりあった訳で、なんか体の芯のほうではすごく冷静な感じ。
無意識か、偶然か、受身をとるような形で、片手とお尻を打っただけで、
背中とか頭とか強打すると危なそうなところは全く打ちませんでした。
ぶっちゃけかなりの激痛でしたが、想像よりかは痛くなかった。
 
そして自分が着地したのを確認したら、次にしないといけないのは、とにかくお姉さんに謝るしかない!
と思って、ひたすらすいませんでした!と繰り返しました。
そんなメガネの出っ歯に対してもお姉さんは、大丈夫ですか?と心配してくださるだけで、
すいませんでしたという言葉にはいやいやとんでもないというふうに顔を横に振っていらっしゃいました。
すばらしい、お姉さん。
人の優しさに触れました。そして日本のお姉さん達はまだ捨てたもんじゃない。化粧で判断すべきでない。
メガネで出っ歯でもキモがられへんかったどー!
正直、階段でぶっ飛んだことはかなり恥ずかしかったので、謝るだけ謝って、
スラムダンクを買うべく、目的地であるまんだらけへ向かうためにそそくさと去っていきました。
 
つーか、そんな状況じゃびびっちゃって、なんも反応できないですよね。
大丈夫ですかっていうのが普通ですよね。
後からくるんだろうな、キモいのが。や、この状況じゃコワイでしょうか。
 
■この経験から学んだ教訓
子どもにはスポーツをやらせておくべき
いざという時に、ケガをしにくい。
(ちなみに僕はバレーボールでした。ヘタクソでした)
 
■この経験から知りえた事実
こういう時ってスローモーションのように見えるっていうじゃないですか。
あれはきっとその瞬間がスローモーションになっているというよりも、
その瞬間にめちゃくちゃ多くのことを考えるんですね。
そして、その出来事を後で振り返ってみたときに、その時に考えたことを
全て忠実に追っていくと、その量が多すぎてどうしても時間のほうを
スローモーションにせざるを得ない。
時間がスローになるというのは、振り返ってみての感覚だ。
この理論はいかがでしょうか、体験者の方々。
 
■御礼
改めて、腕を摑んでしまったお姉さんには感謝しています。
あの時にそのまま落ちていればどうなってたか分かりません。
いやな顔もせずに、心配までしてくださり、本当にありがとうございました。
誰か遠い友達など読んでらっしゃいましたら、よろしくお伝えください。
 
*マグカップは割れていませんでした。
 ご期待に沿えず申し訳ありません。